立 川 真 理 子 TACHIKAWA Mariko 1990-2008

*2008年以降の履歴はこちらをごらんください

個人活動としては、胎内記憶をテーマに植物をモチーフとした平面作品や
光と影や水を使った空間表現、造形作品を発表している。
最近は、触覚や嗅覚などの参加体験型作品の発表や、ワークショップなども
おこなっている。

          1964年 東京生まれ
          1986年 日本大学芸術学部美術学科卒
          1989年 美学校 芸術科学実験工房修了

  個 展    1990年 ギャラリーオカベ/東京
          1991年 GALLERY +1「おかえりなさい」/東京
          1992年 GALLERY Q+1「まるくなるとき」/東京
          1993年 西瓜糖「楽園 T」/東京
          1994年 GALLERY Q「楽園 U」/東京 
          2000年 東西文化センター「ひかりのこども」/東京

 グループ展  1991年 メビウスの卵展に出品 以後毎年、全国各地で出品(〜2008年)
          1993年 こどもみらいアートフォーラム「未来のかたち」/横浜市民ギャラリー
          1994年 アートユニットMAAH 結成
          2000年 第1回BOX Artストリート/東京
          2001年 第2回BOX Artストリート/東京
          2002年 4DU(4Dimention Unit)結成
                Sensible Art
vol.1「知覚する芸術」 by MAAH & 4DU Para GLOBE/東京
                Sensible Art
vol.2「ノアの虹」by 4DU 表参道画廊/東京
          2003年 五感研究会(仮称)結成
                「虹の力学」by 4DU & 北見隆 スペースユイ/東京
                 「六感の森」アクシスギャラリー/東京
          2004年 環境エネルギー館/神奈川
          2005年 MAAH、光体験ワークショップ(エイジアス 芸術家とこどもたち)/板橋区小学校
          2006年 メビウスの卵展 パルテノン多摩/東京
                     〃     金沢21世紀美術館/石川
          2007年 「アカリ・イマージュ〜冬を楽しむあかり展」金井創作の森 アートコアミュージアム/福井
                 「秋の創作ワークショップ10」 北陸電力エネルギー科学館/富山
          2008年 「ヘンテックアートな遊園地」 ころころ児童館/東京

  【その他】  2000年 中谷宇吉郎生誕100年記念 雪のデザイン賞入賞(立川+加藤)
          2006年 第2回ARSOA ART WAVE2006 写真作品入賞
  【パブリックコレクション】 北陸電力エネルギー科学館

【作 品  ☆2005年以降は活動記録もごらんください。

@.植物―胎内回帰

「おかえりなさい」1992年
100.0×100.0cm S40
キャンヴァス、アクリル、和紙、顔料、砂、他
1992年 個展「まるくなるとき」
GALLERY Q+1
「37.2℃」1992年
130.3×130.3cm S60
キャンヴァス、アクリル、和紙、顔料、砂、他
1992年 個展「まるくなるとき」
GALLERY Q+1

「回 帰」1992年
A Revolution
100.0×72.7cm P40(左),130.3×130.3cm S60(右)
キャンヴァス、アクリル、和紙、顔料、砂、他
1992年 個展「まるくなるとき」
GALLERY Q+1

「おかえりなさい」1992年
Photo


「胎内回帰願望」あるいは「子宮願望」という言葉が
ありますが、最近私は植物の実の中にその思いを
強く感じるようになりました。
主なモチーフとして胡桃や石榴の実をよく用いるのは
それらがある特定のシンボルであるということもありますが
それだけでなく、彼らの中を覗き見ることによって
胎児の私を感じ得ることができるからです。
彼らが凝縮されたもうひとつの世界を宿す小宇宙のよう
に思えてならないのです。
彼らが教えてくれること、ひとつひとつの出会いを求めて
螺旋の旅が今、始まったところです。
(1992.9.20 展覧会メモより)

「Ficus Carica L イチジク くわ科」
Photoパネル(一部)
1993年 個展「
Paradisus 楽園」 西瓜糖

18世紀の人々にとって旧約聖書の世界は、生々しい
歴史的な事実であったようです。
リンネは、アダムが「隋落」する以前の「エデンの園」に
すべての植物があり、全ての植物を集めた植物園を
造れば隋落前の楽園が再現できると考えていたそうで
す。神の創造物を理解することによって神に近づこうと
したのでしょう。「すべてを理解する」とは、一体どういう
ことなのでしょうか。私は自分で何を理解し、何を理解
していないのかよくわかりません。
ただひとつ、言えることは、私の身体の中の細胞か、
何かどこかでそれを知っていると叫ぶ瞬間が確かに
あるということだけです。(93.10.20 展覧会メモより)

A.光―水―かたち

「水の中からうまれるかたち」
La Forma que nace desde dentro del agua

1996年
メビウスの卵展 O美術館、他
2000年 個展 東西文化センター

半球の水槽の中をそっとかきまぜたり、水滴を落とす
ことによって映し出される水の影のかたちを見る作品

知りたいという気持ちの根源をたどれば、必ずや自分
の存在の根源に触れることは自然なことでしょう。
この水の影のかたちを通して,もしあなたの記憶の根源
に突き当たるかたちに出会えることがあるとしたら
それは、あなたの知り得る一番原初のあなたのかたち
なのかもしれませんね。

「くらげのつくられかた」
How to create jellyfish

2000年
メビウスの卵展 O美術館、他

球状の水槽の中に、水滴を落とすことによって
映し出される水の影のかたちの動きを見る作品

「ひかりくらげ」
Light jellyfish

2006年 photo

B.かたち―多様性

「In principio はじめに
Photo
1994年 個展「Paradisus 楽園U」Gallery Q

毎日月を見ました。
雨が降るときも、月が雲で隠れている時も。

或る日、私のからだの中に月があることに気がつきました。
それは、からだの中にうずがあることや、
それが地上のいろいろなかたちとつながっていることを
知っているようでした。
或る日、野原を散歩していて、タンポポの群集を見たとき
そこに深海を泳ぐクラゲたちが見えたような気がしました。
それは、私の中にある海が、私にそっと教えてくれたような
気がしたのです。(1994.9.30メモより)

「かたちをめぐる冒険」
1994年 個展「Paradisusu 楽園U」 Gallery Q、他

さまざまな生物の描かれた40枚の絵カードの中から
好きな2枚を選び、カードを箱の上の差込の表と裏に
入れてください。手前のつまみを回転させることにより
2枚の絵はどのように変化して見えるでしょうか。

絵カードの組み合わせ方は考え方次第で多様にあり
ます。例えば「背骨とカイコガの幼虫」「タンポポの種
とヒドラ」など似ているもの同士を発見するのも楽しい
でしょう。しかし、実際の私たちの世界は実に多様で
複雑です。どの組み合わせも良しと思えることに
よって現世界の多様性、一法則性について考える
きっかけとなっていただけたらうれしく思います。

「かたちの中にかくれたかたち」

1995年 メビウスの卵展 O美術館、他


好きなモチーフを選び(写真はコップ)、
棚の上にのせ、明かりをあててみてください。
明かりの角度や距離によって思いもつかない

影のかたちがあらわれます。
目に見えないかたちを光を通して影にして見る
ことによって、あなたの心に残るかたちを
さがしてみてください。

「月のこども」
Children of the Moon


1998年メビウスの卵展 パルテノン多摩

手元にあるミラーをゆがませながら
その反射光を投影された月へ向けてあてる作品

私は、自分の中にある月が、このようなかたちと
出会うとき、自分の原初の記憶を呼び覚ますような
気がしてどうしても目をそらすことができないのです。

「ハーフミラーの正四面体」
Tetrahedronic Mirrore-cave

1993年 メビウスの卵展 O美術館


靴を脱いで正四面体の中に入り最後の三角形を
閉じてください。中のスイッチを押すと鏡の空間の
中で、三角形、五角形、正四面体、正二十面体などの
ふしぎな世界が浮かび上がります。
ハーフミラーを使用しているため外からも
中の様子を見ることができます。

資材協力:旭化成工業株式会社、リンテック株式会社

C.光―色―かたち (偏光フィルムによる)

「光の中からうまれたかたち(トケイソウ)」
La Forma que nacio desde dentro de la luz
-Passiflora-

1999年
 メビウスの卵展 千曲川ハイウェイミュージアム、他
2000年 個展「ひかりのこども」 東西文化センター

作品の前にある透明の円盤をゆっくり回してください。
回すことによって微妙に変化する作品のいろいろな色
をごらんください。(偏光フィルムによる)

「楽 園」
Paradisus

2000年 メビウスの卵展 
せんだいメディアテーク、他

手前の円盤を回すと透明素材でできた背景が
さまざまな色に変化します。

偏光フィルム 資材協力:日東電工株式会社

「繭の中から」
Inside the cocoon


2001年 メビウスの卵展 パルテノン多摩、他








偏光万華鏡

D.嗅覚―触覚

「かおりのみのむし」
The smell bagworm  
2003年 メビウスの卵展 パルテノン多摩、他
かおりのみのむしが旅から帰ってきました。このみのむしは目には見えません。
でも、お腹の部分をそっと押すと、どこからやってきたのかかおりであいさつしてくれますよ。

「ひかりみのむし」
The light bagworm

2004年メビウスの卵展 パルテノン多摩

ひかりみのむしはお散歩中です。
不思議メガネを使って円盤を回転させながら
この中に入るとみのむしの気持ちがわかるかも?


偏光フィルム 資材協力:日東電工株式会社

「香りの標本シリーズ においのきのこ」
2005年 メビウスの卵展 北陸電力エネルギー科学館、他

ふしぎの森からにおいのきのこを採集しました。きのこを手にとり、軸の部分を両手でそっと押してください。
笠の上からにおいの胞子が出てきます。

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